「笑美・・・不安になったら俺を頼れ?」


「うん・・・」


「怖かったら、俺に泣きついても良いから・・・。


俺が受け止めるから。」


「う・・・うんっ。」


次々と流れだす涙は制服に染みを作っていく。


恵はそっと抱き寄せてくれた。


「笑美は一人やないんやから・・・。」


ありがとう、そう言いたいのに言えない。


今は、恵に抱きつくことが精いっぱい。


今は、しばらくこうしていたい。


「ほら・・・」


そう言って私を恵から少し離し、恵の手の中の物を見せられた。


恵の手の中にあったのは・・・クマのキーホルダー。


「大丈夫や・・・」


そう言ってまた抱き寄せてくれて。


力強く抱きしめてくれた。恵・・・私、幸せだよ。