そして、恵の手を握ったまま走った。


恵は、何も言わなかった。でも、繋がれた手は


力強く握ってくれた。


そして・・・ゴール。


『ゴール!1人目は1年6組、山本笑美』


ゴールしたと同時に、たくさんの歓声に包まれた。


そんな中でも、恵の手は放さなかった。


恵も、放そうとはしなかった。


「え、み?」


「・・・」


決めたの。私、決めたの。私の大切な人は


恵しかいません。