「恵・・・。ここで見てるから。


恵だけを見てるから。安心して、頑張ってきて。」


「ありがとう。頑張ってくるから。


絶対勝ってくるから。」


「待ってるよ・・・」


恵、痛いよ?苦しいよ?


今からそんなに、強く抱きしめないでよ。


恵が勝って帰ってきたら、私が


思いっきり抱きしめたいんだから。


「じゃぁ、行ってくるな。」


「いってらっしゃい。」


恵が、みんなが集まっているところへ


走っていった。その姿を見ながらまた呟く。


――頑張れ・・・――