それからも、私は恵の前で何度か春登の名前を呼び捨てにした。
でも、しばらくして、春登と呼んだ時の恵の顔が
少し悲しそうな表情になることに気がついた。
それからは、言わなくなった。恵が・・・悲しそうだから・・・。
でも、その理由が全く分からなくて・・・。
それでも、私たちの仲は壊れたりしなかった。
毎日桜の木の下で楽しく会話をしたり
帰る時は3人で一緒に帰ったりもした。
実は、恵も私と春登と同じ方向に帰っている
ということも知り、私たちが一緒に過ごす時間は長くなていった。
家に帰って、今まで学校生活でこんなにも楽しく
幸せを感じたことが無かった私は、次の日が来ることが楽しみだった。
そして、いつの間にか時間は過ぎて・・・
体育会シーズン。