「笑美さん?授業始まっちゃいますよ?」


「え?あ、ホントだ。じゃぁ戻ろっか。恵も。」


「おう。次の授業は・・・数学やったっけ。」


「・・・俺、受けたくないかも・・・。」


「あ、え!?春登、今“俺”って言わへんかった!?」


「あ、や、言ってません!」


「言うたやろ!」


「恵、春登は、僕って言う時と、俺って言う時があるんだよ?」


「え、笑美さん!?」


「・・・そうなんや。知らんかったわ、俺。


まぁ、教室戻ってその嫌な数学しようや。」


そう言って、先に歩きだす恵。その恵について行こうとしたとき


後ろから春登に腕を掴まれた。