3人で向かった桜の木の下。
そこから見える光景は、何も変わってないのに。
私の心の中は、以前とは全然違う。
隣には恵と春登がいる。そして、私はまた悩む。
恵の昨日の言葉。理由が凄く聞きたいのに・・・。
私には勇気がなくて・・・。言えない。
春登もいるし、言えないよ・・・。
ピーン ポーン パーン――
放送を知らせる音が校庭に響き渡る。
『1年6組、香々見春登くん。至急、職員室まで来てください。』
香々見春登・・・あ、春登。放送で呼ばれたのは
今、私の隣にいる春登。
「えー。なんだかちょっとショック。まぁ
職員室行ってきます。」