父さんからの電話は予想以上に悪い内容だった。
『実はさっき警察から連絡がきてな、紅蓮の総長…瀧本が裁判所から脱走したらしい…』
『……え?……』
瀧本が…脱走?アイツが…逃げた…!?
『そう…アイツ、逃げたんだ…』
やり場の無い怒りが込み上げてきた。
そうか…逃げたんだ…
『それで、警察はなんて?』
『姫華、お前何を考えてる?』
『何も?警察から依頼来たんでしょ?黒蝶のさ』
『……お前この間雑誌に載ったろ?だからもしかしたら姫華狙われるかも知れない。注意しておけ』
『昇龍には?』
『伝えておけ。龍姫なんだろ?彼らにも知る権利がある。』
『…はい…』