「おー！亜子ちゃんおかえり！
で、何だって彼氏？
まさかまたフラれた？
何敗目？」
教室に入った瞬間ハイテンションであたしの傷をえぐるのは、中2から高3の今までずっと同じクラスの斉藤大地(ｻｲﾄｳﾀﾞｲﾁ)。
「はい、そうです。
“また”フラれました！
ちなみに8敗目です。」
“また”と言われるのも無理はない。
いつもあたしは、
なんとなく顔見知りの人に告白される→付き合ってみる→(自分も相手を)好きになる→フラれる
理由は決まって同じ。
“イメージと違った”
大地はあたしが告白されて付き合いはじめてフラれる過程を5年間そばで見ているため、おもしろくて仕方ないらしい。
