お兄ちゃんとお互いに『何を言ってるの?』という顔で見合っているとインターホンが鳴った。
時計を見ると10時。
「あ、大地だ!」
あたしがあわててバックを持って支度すると『頑張れよ~』とお兄ちゃんが言ってきた。
玄関を飛び出すと、グレーのジャケットに黒のパンツをはいたおしゃれ男子が見えた。
「おはよー。
亜子ちゃんかわいー♪」
「あっ、え、あ、ありがと」
お兄ちゃんがわけ分かんないこと言うから変に意識しちゃってしどろもどろしちゃったじゃん。
それに大地のこのいつもと違う雰囲気は一体何!?
もともとモテる奴だけど完璧イケメンじゃん。
いろんなことを思いながらいると、
「亜子、行こー」
と言う大地の声で引き戻された。