そのあと、大地は友達との約束があるってことであたしとユリは駅前のケーキのバイキングに行った。



散々食べて一段落すると必然的に恋の話になった。



「ねぇ、亜子に聞きたいんだけどさ、」



「え、何?」



「亜子って、自分から誰かを好きになったことって…あるの?」



「自分…から?」



少し考えてみたけど…



「――…な、いかも。」



よく考えてみたら、あたしは誰かを好きになって、キュンっとしたり、この人と付き合いたい!とか告白しようかな…っとか、そんなことを思ったことがない。



「亜子っていつも告白されて付き合って、イメージと違うってフラれるけど。

もっと身近にいる人ならイメージと違うなんて思われないんじゃない?」



「もっと、身近な人…。」


頭の中でぐるぐるぐるぐるユリの言葉を整理していると、



「えっ?あれ大地くんじゃないの?」



ユリの指さした方向を向くと、大地が女の子と歩いているのが見えた。



「大地が女の子といる…!」