琉太のやつ。
また講義サボるんだ…。

でも


これが私の好きな人。

だけど、琉太には好きな人が居る。





「琉太!また講義サボったでしょ!」

講義が終わってサークルに顔を出した私は
教室の扉から琉太を確認したから
そう言いながら教室のドアを開けた。


「もうノート見せてあげないんだか、ら…」


最後の方はちゃんと声に出ていたのか
分からなかった。

椅子を逆にだらしなく座ってる琉太の向かえに
蛍子さんの姿を確認したから。



「なんだよ凛子。
冷たいこと言うなよー」


さっきの調子で喋る琉太に
私はさっきの調子で喋ることは出来なかった。

「あ、秋澤さん。こんにちわ」


蛍子さんは私に笑顔で言う。