「…ふぅん、じゃあ探して来れば」


『言われなくても!』


カッカッカッ、という音を響かせながら適当に本棚の間に入り、大量の本に目を向ける。


あたし、本読んだのなんて小学校の夏休みの課題でしかないんだけど。


目に付いた題名の本を片手に、雅也の隣に座った。


「何借りたわけ?」


これ、と彼に本を手渡すと、携帯小説かよ。と呆れ顔で返された。


「意地っ張りな女」


『…っ何よ、あたしは本当にこれが読みたかったの!』