『八神奈々だよっ』


《切るわ》


『ちょちょちょ待って!!
今どこ?って聞いてんのに!』


《今から図書室行くとこ。
邪魔するな》


『図書室?今から行く!』


はっ?という雅也の声を無視して通話を切った。


図書室…図書室ってどこ?
行った事ないから知らないよ…


近くの人に聞くと、ものすごく驚いた顔をしながら場所を教えてくれた。


あんたが図書室?って顔に書いてあるんだよ!
失礼な奴。


早足で図書室へ向かうと、異常なくらい静かな部屋に、ヒールの音がやけに響いた。