あたしの握っていた手も振り払って腕を組んで目をつむりだした。


絶対こいつ、惚れさせて思い切り捨ててやる


そう決意して、タクシーを降りた。
彼の家は大きな高級マンションだった。
彼の後ろを付いて歩きながら、嫌味なくらいかっこいい所ばっかなのね、と小さく舌打ちをした。


無言でドアを開けて客人を先に入れる事もしないでスタスタと部屋へ入って行く彼に、お邪魔します…と慌てて靴を揃えて付いて行った。


中のリビングも広すぎなぐらい大きくて、無駄な物が置いてないのが余計広く感じさせた。