「あのさぁ真那」
「ん?」
「返事、決まった?」
「・・・・返事?」
「優樹の」
「あぁ・・・」

返事って・・・。
一体どうすればいいの?
だって話したこともなければ
ついさっき初めて顔をみたばっか。
恋愛だって
まともにしたこどがない。
そんな奥手なあたしに何が出来るの?


「だって・・・」
「真那、これがチャンスだって」
「チャンス?」
「そう、絶対断ったら後悔する」
「・・・・。」

よく分かんないけど
多分・・・やってみないと分からない
たくさんの事が
あるに違いない。




「・・・・OKする」
「・・・了解!」


そうだ、それでいいという
犬の飼い主のような顔をした夏未は
にっこりと微笑んだ。




始まった。
あたしの恋。
これからどうなるかわからないけど
試してみたい。
自分の実力、魅力を。


これから“始まる”
“初めて”の恋。



そして次の日、
あたしは男の子に声をかけられた。



「おはよう!真那!」

「・・・」






・・・・安藤優樹





あたしの初カレだった。