「蒼空は俺のことどう思ってるかわかんないけどさ…」

優輝が遠くを見ながら言った。

「うん。」

蒼空はただただ優輝をみた。

「俺。蒼空が好き。」

その言葉は、
昔、メールで来たのとは違う感じがした。


「え…?」

嘘だって思った。

また、からかわれるって…

でも、違う気もした。

だから聞き返した。


「だから!蒼空が好きだっていってんの!」

嬉しかった。

あの日からずっと心の奥底に隠していた想いが溢れた。


自然と涙が流れてきた。


「…嘘じゃ…ないよね?」


嶺をふったのも本当の理由は、
『優輝が好きだから。』
だった。

あの日諦めたはずだった。

けど
仲を取り戻すうちにまた好きになっていた。


「嘘じゃねーよ!というか…」

そう言って優輝が頭をかきながらブランコを降り、目の前に立つ。

「昔のも今のも全部嘘なんかじゃねーよ!」

そう言って優輝は顔を真っ赤にしながらそっぽを向いた。

「え。」


あのときからずっと同じだったんだ。


「で、返事は?」

優輝がまた真剣な顔で私を見つめる。

「…私も。前から好きだよ。」


私は恥ずかしくなってうつむいた。

「ほんとかよ…。じゃあ、俺ら昔から両思いって訳?」

優輝が呆れたように言う。

「多分…?」
「まぁいっか!こうやってさ伝わった訳だし。」

そう言って
優輝が蒼空に近づく。

「?」

優輝が蒼空の頭をくしゃくしゃッとした。

「なにすんのー!?」

蒼空が抵抗して顔をあげる。


グイッ

優輝が蒼空の顎を上げる。

「!?」

チュッ

「ちょっ、優輝!?」

蒼空が顔を真っ赤にしながら目の前の優輝に言う。

「いいじゃん別に。」


そう言って
優輝はまた私の髪の毛をクシャッとした。


「帰るか。」

優輝が蒼空に右手を差し出す。

「うん♪」

蒼空は優輝の右手を取り、二人は歩き出した。



何度もすれ違った私たちの恋。

でも
やっと交わりあった!



大切な君に伝えたいこと。

それは、
「大好きだよ!」
の一言。



‐END‐