「蒼空。帰ろうぜ!」

荷物を持った嶺が蒼空の方を見て言ってきた。

「うん。」

二人は席を立った。

「嶺。蒼空と帰るの?」

林檎が嶺に話しかける。

「うん。そうだよ?」

嶺が林檎を不思議そうにみる。

「いいなぁ。私が蒼空と帰りたかったのに…。」

林檎が蒼空を見る。
それは「私と帰ろ?」と言ってるみたいで可愛い。

「だーめ!今日は蒼空は俺と帰るの!」

「いいよ♪」といいかけた蒼空に被せるように嶺が言った。

「嶺ずるい!」

林檎がほっぺたを膨らませて言う。

「ずるくないもんねー!」

嶺が、林檎のほっぺたをプニプニしながら言う。

さすが双子!
仲いいなぁ…

「べーだ!じゃあ、蒼空また今度、一緒に帰ろ?」

林檎が嶺の手を振り払いながら、蒼空に聞く。

「うん♪いいよ」

蒼空は笑顔で答えた。

「じゃあね♪」

林檎が手を振って教室から出ていく。

「じゃ、俺たちも行くか!」

こうして、再び席を後にした。


「あ。蒼空、肩使う?」

廊下に出た頃に嶺が聞いてきた。

「ぅうん。いいよ!」

断ったけど、
やっぱ足痛いなぁ…。

少し引きずっちゃうし…

「やっぱ貸す!大丈夫。俺が支えるから!」

嶺が蒼空が足を引きずってるのに気付いて
蒼空の腕を自分の肩に回す。

「ありがと。」

教室や廊下にいた人たちはポカーンと二人を見ていた。


んー
みんなみてるよ…

どう思ってるんだろ?


「蒼空。階段行ける?」

嶺が心配そうに蒼空を見る。

ワッ!
嶺顔近いって!

まぁ、肩かしてもらってるからしょうがないけどさ…


「んー手すりあるから大丈夫!」
「わかった!じゃあ、気を付けろよ?」

嶺はゆっくりと蒼空に合わせて階段を降りてくれた。

「ありがと」

蒼空が嶺の方を見て言う。

「ぁ、当たり前だろ!」

顔を赤くしながら嶺が答える。

すると、
階段の上の方から声が聞こえた。

「嶺、帰んの?」

二人は顔を上げる。