【蒼空side】

「ってわけよ!」

南の教室に行って南を連れ出して、今にいたる。

「ふーん。で、返事はしたの?」

南がパックのイチゴオレを蒼空に渡しながら聞く。

「まだ…。まだ、返事はしないで!だって。」

蒼空は渡されたイチゴオレを飲みながらうつむく。

「蒼空はどう思ってるの?嶺って子のこと。」
「…可愛い。」

嶺は、小さくて、犬みたいで可愛い。
それ以外思い浮かばない。

「可愛い?男子として見てないの?」

図星だった。
見ようとしたこともなかったかも。

「ぅん…。」

蒼空がさらにうつむく。

「じゃあ、まずは男子として見なきゃね♪」

南が蒼空の背中をポンッと叩いた。

ゴホゴホッ

蒼空が咳き込む。

「ぁあああごめんー!」

南が慌てて蒼空の背中をさする。

「うん。」

蒼空がいきなり言った。

「ん?」

南が首をかしげる。

「考えてみるよ。嶺のこと、男子として!」

蒼空が立ち上がる。

「行こっ!」

蒼空が南に手を出して教室にいくように促した。