「ぅちの名前…うちの名前…」
蒼空は
人だかりに紛れながら自分の名前を探した。
「……あった!」
自分の名前を見つけ、クラスを確認すると
もう自分のクラスを確認して合流したらしき拓海と優輝の方へと行く。
「二人ともーうちの名前見つけたよー!」
と、楽しそうに言う蒼空に優輝は「ハハッ」と、見下して言った。
「絶対名前あるに決まってんだろ?お前、バカ?」
「バカじゃないしー!」
蒼空は
優輝に向かってあっかんべーをする。
「で、蒼空は何組だったの?」
拓海が
喧嘩に成りかけている二人を止めに入るように蒼空に問い掛ける。
「E組!」
蒼空は嬉しそうに答える。
「ぁ、俺と違う。俺、B組。」
拓海は「残念だね」と笑う。
蒼空も残念そうだ。
「優輝は?」
「…俺、E組。」
優輝は、つまらなそうに言う。
「なんだよ。俺だけ違うのかぁ…」
拓海は、「チクショウ」と言って
地面を蹴る。
「俺は、変わってやりたいくらいだし…。」
優輝は、悲しげな瞳で拓海を見据えて言った。