「湿布貼っとくわね?でも、あまりにも痛むようだったら一度、病院に言った方がいいかもしれないわ。」


少しひどめな打撲らしい。
なんか
大袈裟だったなぁ…。

「はぁー…よかった。」

優輝がため息をこぼした。

「?」

なんで優輝が「よかった」って言うんだろ…?

「まっ、気にすんな!」

優輝は
「ハハッ」と、笑ってそう言った。

保健の先生は、「青春ねー」と、言って二人を見ていた。


「…?」

なんか気恥ずかしくなって沈黙が続いた。

その沈黙を絶ちきるように

「んじゃあ、帰ります。」

と、言って蒼空は椅子を立つ。

「「失礼しましたー」」

蒼空と優輝は教室を出るときに
なんか、ハモった。

二人は顔を合わせて笑いあった。


日も暮れ始めた。

校門を出るのは
この二人くらいだった。