「郁だよ♪」
「私が運動会で活躍できるようにだって!」
郁…か…。
「もしかして…昨日?」
昨日の
二人が目の前に浮かんだ。
「うん、そうだよ♪」
「やっぱり。」
俺がそう言うと
蒼空が不思議そうに首を傾げた。
「なんで知ってるの?」
そっか
俺が見てたの知らないのか。
「ぁあ、見えたから。」
「え?」
理解ができないのか蒼空が聞き返す。
「だから、ベランダから見えたから。」
「そう言うことか!」
蒼空は
やっと理解したようだった。
俺は、ふと視線を感じて
視線の感じる方をみる。
すると
俺たちが話しているのを目にとらえた担任がこっちをじっと睨んでいた。
「蒼空。前向け。」
蒼空は
いきなり「前向け。」って言われたからか、キョトンとしていた。
「先生がこっち睨んでる」
担任の方を指差して蒼空に教える。
「ぁ、ありがと♪」
と、言って
蒼空は
前を向いた。