【優輝side】

「今から…」

開会式が始まった。

でも
そんなの興味なかった。

前までは
あんなにやる気だったのに…。


そっと
斜め前にいる蒼空をみる。


こっちみるかな?

と、蒼空をじっと見つめてみた。

「!?」

蒼空が気づいた。

蒼空は嬉しそうに笑った。
そして

「ひまだよね…。」

と、小さな声で話しかけてきた。

「うん。」

そう俺が返すと

蒼空が服の裾を目繰り上げて右手首を俺に見してきた。

「?」

蒼空の手首になにか巻かれてる…?


蒼空は俺がそれが何なのか気づいていない様子に気づき、

「ミサンガだよ♪」

と、教えてくれた。

「ミサンガ?前からつけてたっけ?」
「ううん。つけてないよ。」

そう言いながら蒼空は先生に見つからないようにと
再びミサンガを服の裾に隠した。


「買ったの?」

てか、蒼空ってそんなのつけるキャラだったっけ?

「ううん。もらったんだ♪」

蒼空は嬉しそうに言う。

そんな蒼空の顔を見て
なんかそいつにムカついた。

「誰に?」