【郁side】

蒼空、嬉しそうだったなぁ
頑張って作ってよかった♪


― 2週間前

「郁ー!」

郁が運動場でサッカーをしてたら流依に呼ばれた。

「一緒に帰ろー!」

流依は
顔は蒼空に似てるがまだ蒼空よりあどけない。

「いいよー!」

そう言って僕は、サッカーから抜けて流依の方へと駆けた。


「郁知ってる?蒼空たちね、もうすぐ運動会なんだよ」

流依は、歩きながら僕にそう教えてくれた。

「え!」
「郁。ミサンガつくれば?」

流依が首を傾げながら言った。

「ミサンガ?」
「うん♪」

なんで運動会にミサンガなんだろう?

僕は、それを流依に聞いてみた。

「えっとね、渡した相手が活躍出来るようにだって♪奏兄と礼兄が言ってた♪」

流依は
妙に嬉しそうに言った。

そして
郁が「ふーん。」と、言うとまた続けた。

「あとね、一生あなたを守る!って言う誓いの意味があるんだって。」

流依は
よくわからなげに話した。

流依にはわかんなかっただろうけど
僕には意味がわかった。

「流依。蒼空ってこのジンクス知らない?」

やってみようと思った。
けど
蒼空が知ってたら意味がない。

「ジンクス?」

流依が首を傾げる。

「うん。」

郁は、大きく頷いた。

「知らないよ!」

流依は
元気よく言った。

「ありがと♪流依。」

と、言って流依の頭をクシャクシャっと撫でた。

流依は、顔をクシャクシャにして笑った。