秋になった。

季節は進んだけど何も変わっていない。

ただ、暑さが涼しくなっただけだった。

嶺の気持ちは、変わったのか、変わってないのかは分からない。

けど、
前より気持ちは軽くなった。
郁のおかげだ。


なんだかんだでもうすぐ運動会だ☆

全てを忘れて
運動会に捧げるぞー♪

って、思ってたのにぃ…。


「花瀬!」

鈴檎たちと話してると不意に話しかけられた。

「ぁ、仕事!」

その人の顔を見るなり鈴檎たちを置いて、走りだした。

「お、おいっ!」

その人は
同じ委員会の人だった。

私は
体育委員になった。
しかも
クラスの運動会役委員…。

優輝も拓海も一緒だった。


「優輝!拓海!」

息を切らせながらそう叫ぶ蒼空。

優輝と拓海は、それを見て大爆笑している。


今日は、確か放課後に作業があった。

ぁあ、忘れてたなんて…。


1人とぼとぼと自分の作業をしてると
優輝と目があった。

『バーカ』

声は出てないけど確かに口で言った。