[蒼空side]

~♪

携帯の着信音が鳴った。

ベットで寝そべって漫画を読んでいた私は
ベットに座り携帯を取った。

「もしもし?」

知らない番号からだった。

「ぁ、蒼空?林檎だよ♪」

電話の相手―林檎は明るい口調で話す。

そういえば
今日教えたっけ。

「どうかした?」

私がそう聞くと

「ぁ、うん…。」

林檎はいきなり黙ってしまった。

「なんかあった?」
「いや、何もないょ。けどちょっとした相談。」

私は
今日会ったばっかなのに相談に乗っていいのかな?
と思いながら

「なんでも相談乗るよ?」

と言ってしまった。

これが
あいつと自分を引き離す原因になるなんて知らずに…。


「…ぅん。じゃあ、単刀直入に言うね?」
「うん。」
「優輝君のこと好き?」
「え…?」

なんで
林檎が私に聞くんだろ?
私は全く優輝になんて興味すらないのに…。

「好きじゃないよ?それがどうかしたの?」
「ほんと?」
「うん。優輝はただの幼馴染みだよ。」
「私ね、優輝君のこと好きになっちゃったかも知れない…。」

林檎の突然の告白。
私は、一瞬頭が真っ白になった。

“「林檎は、少し喋っただけで恋しすぎなんだよ!」”

電話越しに嶺の声が聞こえた。

「ぁ、ごめん…。」

と、言って多分林檎は少し携帯を耳から離した。

「嶺うるさいょ…!」

林檎がそう叫ぶ悲しげな声が聞こえ、すぐに

「ばーか」

と、嶺の声が聞こえた。


林檎。
丸聞こえだよ…。

「ごめん。また、学校で話すね」

林檎の弱々しい声がした。

「うん。わかった。別にメールでもいいよ?」

林檎は「ぅん…。じゃぁばいばい。」
と言って電話を切った。