机に伏せて寝ていると
突然、頭に何かが当たった。

「おーぃ!サッカーやるぞ!」

誰かが呼んでる。

「ぅんー…!やるー!」

私は、眠い目を擦りながら
先に走っていく男子を追いかける。

「遅いぞっ!」

先に校庭についてた男子たちが後から走ってくる私を急かす。

「ゴメンー。」

私は、息を切らしながらみんなに謝った。

「寝てるからいけないんだぜ?蒼空。」

いきなり後ろから頭をポンと優輝が頭を叩く。

そう、私の名前は
華瀬 蒼空 (はなせ あお)
女子らしくない名前。
でも
私は結構気に入ってる。
だって私は昔から男子と同じように育てられてきた。
だから
今だってこうやって男子と遊んでる。

さっき
頭をポンと叩いた奴は私の男子友達の1人。
杉河 優輝 (すぎかわ ゆうき)
こいつとは、結構昔からの繋がりだ。
保育園の頃からだったかな。
性格は、少々タラシなところがある以外いいやつだ。


さっき
私にボールを当てたのは優輝だと思う。
優輝は、サッカー部だからか蹴りが強い。
この蹴りが結構痛いんだ…。
まぁ、私は慣れてるから大丈夫だけどね…。

「パスッ!」

優輝が私にパスを渡す。

「OK!決めるぞ」

私は、ゴールめがけてボールを強く蹴った。

「ゴール!」

ボールは、キーパーの腕をスルりと抜けてゴールに入った。

「寝てたくせにやるなぁ…やっぱ」

ゴールキーパーをやっていた
木之瀬 拓海 (きのせ たくみ)
が悔しそうに言う。

「ハハッ!俺に勝つなんて百年早い!」

私は、口癖の“俺”を使って自慢げに話す。

「バカかお前は…。」

隣にいた優輝が呆れたように言う。

「バカですよー!」

そう言いながら私は、優輝と拓海に変顔をみせる。

「「プハッ」」

二人は、蒼空の変顔がツボにはまり大爆笑をしだした。


「蒼空ー!」

階段で見てたらしき少年が蒼空の名前を呼びながら走ってきた。