それは、突然のことだった。

「ヨシオ、大丈夫!?」

病院に駆けつけたあたしに、
「…ああ」

ヨシオはベッドのうえから返事をした。

包帯がグルグルに巻かれているヨシオに、あたしはどうしていいのかわからない。

酔っ払った客と取っ組みあいのケンカをしたヨシオは、傷だらけの血まみれのボロボロ状態で病院に運ばれた。

客とケンカをしたせいで、ヨシオの店は警察から無期限の営業停止処分を受けた。

「先に仕掛けてきたあいつが悪いってのに、何でだよ!」

イライラすると言うように、ヨシオは唇をギリギリと噛んだ。

そんなヨシオを見ながら、あたしは思った。

――彼の役に立ちたい

面倒見がいいヨシオに、あたしはいつも甘えてばかりだった。

今度は、あたしか彼を支えたい。

あたしは、ヨシオのために働くことを決意した。