その後、カズキの事とかお父さんの仕事の事とか色々な話をした。
思春期だった私は一緒に暮らしていた頃、お父さんを避けてた時期があった。理由は特にないけどきっと女の子なら誰でもあるはず。
だけどお父さんは私のお父さんで、
私はお父さんの娘。
ほかの誰にも真似できない繋がりがある。
『…………マイ、辛くないか?』
風がざわっと通り過ぎた時、お父さんが突然そんな事を言った。
もしかしたらそれが1番聞きたい事だったのかな?なんとなくそう思った。
『今は辛いって思ってない』
毎日の診察も、飲まなきゃいけない薬も、まずいご飯も少し前まではすごく辛かった。
でも今は大丈夫。
『そうか。お父さん代わってあげられないけど
一緒に戦ってるからな』
お父さんがまた涙ぐんでいた。
辛かったのは私だけじゃない。きっと病気を抱えた家族みんなが戦ってる。
多分、きっとね、これから私には大きな悲しみが訪れるかもしれない。
それはとても耐えられなくて、
とても生きていけないような事。
でも私を奮い立たせるものがいくつかあるとしたら、今日この瞬間もいつか私を支えてくれるものになったと思う。