『聞いてなかったけど、あんたって何歳なの?』


シンは子供っぽいくせに私が予想しない行動や言動ばかりする。だからなんとなく聞いてみたかった。


見た目的に私より年下なのは明らかだ。

身長はあまり変わらないけど、汚れのない純粋そのものって感じ。


『14歳だよ』


それは私の想像通りの年齢だった。

シンは年を言った後『マイとは3歳差だね』と付け加える。私はそれを聞いて鼻で笑ってしまった。


『あんたってやっぱり私のストーカーでしょ』


名前も何故か知ってたし年まで知ってるとかちょっと引く。

でも病院は隔離された空間だし、患者同士の情報にセキュリティなんてないから仕方ないのかもしれない。


『マイの事ならなんでも知ってるよ』


シンは微笑みながら夕焼けを見ている。その横顔がちょっと綺麗で少し見とれそうになった。


“きっとシン君ならマイちゃんの気持ちを理解してくれるわ”

ふっとその時、中村さんの事を思い出した。


別にそんなの求めていないけど、それでもシンに会いに来た意味を自分なりに考えていた。


『なんでも知ってるなんてそんな事ある訳ないじゃん』


そう言うとシンは『へへ』と笑う。

私はその笑顔を見て、一つの事を聞いてみたくなった。

本当はすごく迷ったけどシンの事を知る為に避けては通れない気がして。