『先生、私のせいなの。シンがこうなったのは私が…………』

そう言うといつも温厚な先生の顔が曇った。


『マイちゃんも知ってると思うけど発作はいつ起きるか誰にも分からない。だから誰のせいでもないよ』


そうだけど、でもやっぱり考えちゃうよ。

考えずにはいられない。

なかなか納得出来ない私を見て先生はある事を言った。


『マイちゃんが昏睡状態だった時、シン君は君が目を覚ます事だけを祈って手を握ってた。マイちゃんが今出来る事は自分を責める事?違うよね?』


────そうだ。

私が暗闇に落ちた時シンが私の道しるべになってくれた。きっとあの時の私みたいにシンは必死で出口を探してる。

だったら私もシンが帰ってくるようにその光にならなくちゃ。

それに目覚めた時「私のせいでごめん」なんて言ったらシンは怒ると思うから。


それでもシンは私が目覚めた2日目を過ぎても眠ったらままだった。



『マイちゃん、今日もご飯残しちゃったのね』

食器を片付けにくる中村さんは今日もガッカリしている。

シンを信じると決めたけどご飯をモリモリ食べれるほど私は図太くない。


『病は精神の不安定が一番よくないのよ。こんな時だからこそマイちゃんが元気でいないと』

なんて、中村さんに口うるさく言われる日々。


そんな事私だって分かってる。

これで私も体調を崩してしまったらシンを待つ事も出来ない。