誰かが俺を呼んでる。
「おじさんおじさん。死んじゃうよ。おじさん!」
身体を起こそうとすると何か乗っていて重い。
頭がガンガンする。
「だから言ったんだってあそこは、やめなよってやられたんだよ。起きてよ。」
目を開けると防護服の顔が近くにあった。
俺の上に乗ってるらしかったというか抱きついている。
「あ!起きた早く早く置きないとこんなカッバじゃ放射能浴びちゃうよ。
スナックシェルター真知子のママなんて踏んでたわよ。」
防護服服の奥の顔を見るとキャパクラシェルターアイアイの由実ちゃんだった。
「とにかく起きて歩こう。
シェルターがあるんでしょ?
責任とってよ。
私石鹸二つで怒られたから頭に来て辞めちゃたよ。
責任とってて言ったでしょう。シェルターなかったら、あんなに文句言っちゃったから寮のシェルターに戻るの恥ずかしいんだから。」
俺は、ノロノロ身体を起こして由実ちゃんに手をひかれながら歩いた。
「シェルターどっち?こっちで合ってんの?」
俺は、うなずく。