ママは、続けた。
「私向井さんタイプなのよ。下に降りないからしら。」
「お金もないし、何もないですよ。」
慌て返した。
ママは色っぽい声で答えた。
「あなた律義ね。じゃ今日の荷物だけ貰うわ。
商売でやってるんじゃないんだけどあなたの気がすまないんでしょう?」
俺は、何度もうなずいた。
ママは俺を立たせて更に奥に連れて行こうとした。その時に、男の大きな声が聞こえた。
「だからあ~俺は、山鳩だって元総理大臣だぞ。今はシェルター取られるて洞窟暮らしだけどあんまりじゃないか!」
ボーイが走って行くのが見えた。
俺の反対側の奥のボックスにギョロ目の老人が大きな声を更に出そうとしたがボーイから止められてるようだった。
ママは笑いながら言った。
「元総理もシェルターがなければただの人。
さあ行きましょう向井さん。」
暗い中を奥に行くと小さいエレベーターがあった。
ママがお先にと言った。俺は、エレベーターに乗り込んだ。