「彩羽!」


 「あ、夏美!おはよう」


 「なにぼーっとしてるの、車にひかれるよ」


 あ、そうだ私昨日ほとんど寝られなかったんだ。


 自分らしく、なんていったもののよっぽどのことがない限り、


 図々しくなれないっていうか、周り気にしちゃうっていうか。


 「あ!!秋夜先輩だ!!」

 
 周りの女子の熱い視線を受け、秋夜先輩がニコリと笑顔を作る。


 「「きゃぁああ-❤」」

 
 うわぁ、やっぱ、秋夜先輩ってすごいな。


 「秋夜先輩今日もモテモテだねぇ」

 
 私の通う、櫻庭高校のアイドル的存在の秋夜悠月〈あきやゆづき〉。

 
 私の二つ上、3年生でもちろん美形。


 学年を超えてすごく人気があるけど、私はあんまり...。