「お母さんね、再婚...しようと思ってるの」
 
 
 いつも通り、部活から帰ってきて、
 
 
 いつも通り、母親と二人で夕飯食べて。

 
 あれ?いつもと何か違う。


 「お母さんね、十年ぶりに本気で好きだって思える人ができたの」


  状況が理解できず、カレーを食べるためにスプーンをとった手を止め

 
 唖然とする私にお母さんは真剣なまなざしを向ける。
 

「...そ、そんな急に言われてもよく分かんないよ!」
 

  そういって自分の部屋に飛び込んで大泣き、
 
 
 ...できるならしたかった。

 
 だけど、私の口から出てきた言葉は


「...うん。お母さんが決めたことならいいんじゃないの」


 そんな感情を押し殺したセリフだった。