あれから俺はめでたく退院した
今日からまた学校だ
俺の隣には砂羽がいる
「淳」
「どうしたの?砂羽」
「えっと…なんでもないわ」
「なんだよ」
笑って返す
砂羽は足を早め俺の前にいく
そして振り返り俺にこう言った
「直の次に…ううん、直と同じくらい好き!」
そう言った彼女の顔は女帝でもなく、悪魔でもない可愛らしい女子高生の笑顔だった
「俺も、好き」
直、お前に最後まで勝てなかったけど
安心してくれ
砂羽を幸せにしてみせるから
女帝の椅子
Happy End
忙しくて全然進まなかったのですが
やっと完結しました
ちょっと無理やりすぎるところもあるのですが気にしないでください
ここまで読んでくださりありがとうございました!
夜うさぎ
感想ノートになんかその後が見たいって書かれていたので書くことにしました!
ぜひ!
読んでください!
荒竹真琴Side
三谷が退院してから、当たり前のような日々に戻った
「荒竹くん、おはよう」
そして隣には南世ちゃん
付き合ってはいないけど、一緒に登下校するようになった
「おはよう、南世ちゃん」
南世ちゃんはいつも三谷一筋だ
こないだ軽い気持ちで
「俺たち付き合っちゃう?」
って言ったら南世ちゃんは
「三谷くんが好きだから」
って断られた
諦めたハズだが他の男とは付き合えないみたいだ
そんなところも可愛いが
「あ、三谷くん!」
三谷と神童さんカップルを見かけると南世ちゃんは嬉しそうに手を振った
「砂羽ちゃんも!おはよう!」
「華蓮さん…そのやっぱりファーストネームで呼び合うの、恥ずかしいわ」
神童さんが恥ずかしそうにいう
三谷には普通に淳って呼んでいるくせに
あ、三谷が退院してから神童さんは頑張ってクラスに馴染もうとしていた
今では誰も神童様とは呼ばない
でも呼び捨てはしにくく、だいたい神童さんって呼ばれている
南世ちゃんとは友達になれたみたいだがまだギクシャクしている
…神童さんマジ天使
三谷淳Side
「ねえ、今度のテストの為にみんなで勉強会しようよ」
顔の痣が無くなりかけた南世がそう提案した
「いいね、誰か世界史教えてくれ」
「任せろ、お前の偏差値を65にしてやるよ」
砂羽は嬉しそうに笑いながら言った
「じゃあ、私の部屋に来ない?私、友達を部屋に入れた事ないの。そういうのワクワクするわね」
さ、砂羽の部屋⁉︎
「異議なし!」
みんな笑った
幸せだ
こんな日々がずっと、ずっと続いてほしい
砂羽も南世もついでに荒竹も
俺の大切な人だから
みんなで笑っていけるように
南世華蓮Side
「華蓮さん、あなた荒竹くんと付き合わないの?」
砂羽ちゃんが急にそう聞いてきた
顔が赤くなる
私は荒竹くんが好きだ
告白もされた
でも三谷くんが好きだからと断ってしまった
うそではないけど荒竹くんと一緒にいると心臓が落ち着かなくなる
それが悟られるのが恥ずかしい
それだけだった
「しばらくは付き合わないつもりだよ」
そう言って視線を荒竹くんに向けた
…荒竹くん
あの時助けてくれてありがとう
あの時からずっと荒竹くんが気になってたんだよ
いつか、私から伝えるからその時まで待っていてください
「…南世ちゃん?」
三谷くんと並んで歩いていた荒竹くんが振り返る
なんでもない、そう言って笑う
もうすぐ学校に着く
荒竹くんはだるいと言って正門をくぐった
神童砂羽Side
「神童さん、おはよう」
最近クラスに馴染めてきた
みんな優しくしてくれる
「おはよう」
そういうだけで暖かい視線が感じられる
友達はまだ少ないがいつかこのクラスの人達と仲良くなりたい
気になるのは刑務所にいる函南と青森だ
あの二人はどうしているだろう
刑務所の中で私を恨んではいないかしら
…気になるけど私がこれから気にしなくてはならないのは今月の終わりにある中間テストだけだ
私は教科書を広げ授業の支度をした