「じゃあね」
「あぁ。メールくれよ。俺もするから」
「うん。じゃあ、バイバイ!」
大きな荷物を抱え、車に乗り込もうとする満奈。
俺に向かって、大きく手を振った。
その手には、太陽の光を浴びてキラキラ輝く“約束”があった。
負けじと満奈に向かって手を振る。
俺の左手の薬指にももちろん、満奈からはめてもらった“約束”が輝いている。
満奈に背を向け、車に乗り込んだ。
その瞬間、
「大好き!」
耳に届いた、その言葉。
びっくりして、後ろを振り向くけど。
もう、満奈の姿も満奈ん家の車もなかった。
あの野郎・・・。
逃げたな。
「俺だって大好きだっつーの」
フッと笑う。
ドアを閉めると、車が動き出した。
605号室には、もう二度と戻れない。
でも、それ以上に―――。
左手の薬指を見つめた。
俺は大事なモノを見つけた。
空を眺めて、想った。
少しだけ遠距離になるけど。
俺の気持ちは変わらないから。
いつか―――満奈を迎えに行くまで。
待っててな。
―――満奈、愛してる。
【Love♡LDK 1 END】