待ってんのに。

・・・帰って来ない。

只今23時。

あと1時間でバレンタイン終わるんですけど。

写真集は10回以上見た。

さすがに少し眠い。

明日は14時入りだから問題はないけど。

・・・多分。

にしても遅い。

風呂にも入らないで待ってる俺。

だって一緒に入りたいし。

テレビをつけ、ソファでぐったりする。

しばらくすると、

―――ガチャッ

部屋のドアが開く音がした。

「ただいまぁ~・・・」

そして、愛おしい人の声。

眠気なんて吹っ飛んだ。

満奈だ!

俺は玄関にダッシュした。

「お帰り満奈!」

多分今の俺を表すなら犬だな。

見えないしっぽ振ってると思う。

「どうしたの?隼斗」

そう言う満奈は疲れてる様子。

「満奈こそどうした?」
「あぁ・・・疲れた。今日だけで都内回りまくった・・・」

盛大なため息をつき、俺に抱き着いて来た。

「いい匂い・・・。落ち着く」
「そうか?」

声がかなり疲れてる・・・。

ゆっくり頭を撫でた。

「もう歩きたくない・・・」
「・・・んじゃ、これで移動するか」

と言って、満奈をお姫様抱っこする。

眠そうな満奈。

・・・今日はヤらない。