(side隼斗)

今日はバレンタイン。

満奈、今年は何くれんのかな・・・。

なんて期待を膨らませながら、仕事からの帰り道。

にぎやかな商店街を歩く。

今は16時。

夕飯の買い物をするおばさんと、学校帰りの学生でにぎわっていた。

そんな中を、1人で歩く。

その時、ふとこんな声が聞こえて来た。

「なぁなぁ!満奈ちゃんの写真集買ったか?」
「あったり前だ」

・・・はっ!?

満奈の写真集だと?

満奈って、Rainbowの桜井満奈の事か?

辺りを見渡せば、横に並んで歩いている制服の男3人組がいた。

あの制服・・・如月高校のすぐ近くの高校のだな。

「高3であんなエロい顔出来るなんて、さすがRainbow唯一の女優だよな」

はい、確実に俺の彼女の事ですね。

・・・つーか、今何つった?

エロい顔?

「あのベットの上の写真とか、超ヤバかったくね?」

ベットの上の写真!?

んだよそれ。

「華奢だよな・・・。それに、あの微妙に脱いでる感じがまたよかったしな」

微妙に脱いでる!?

余計エロいじゃねぇか!

「満奈ちゃんだったら抱きたい」
「俺も」
「俺も俺も!」

てめぇら・・・。

俺の彼女で勝手に妄想しやがって!

って言うか、写真集出した事すら聞かされてないんスけど!

しかもエロい写真があるらしいし・・・。

俺はすぐ本屋に寄った。

・・・そういや、あの男子高生達。

よくあんな人がいる場所で“抱きたい”とか言えたよな・・・。