「お邪魔しました~」

22時。

パーティーがお開きになった。

・・・のに。

満奈はまだ、ガールズトークに花を咲かせている。

こんな寒い中、よく喋れんな~。

門の前で、満奈を待っていた。

その時だった。

「よっ」

湊が、俺の隣に立った。

3つも年下なのに、偉そうにしてるのがやっぱりムカつく。

「んだよ」

俺様隼斗くん解禁。

いつもの口調で話しだした。

「ホントにラブラブだね、隼斗達」

んなの、言われなくても知ってるし。

「あっ、そうそう。俺、今度デビューするんだ」
「へー」

湊がアイドルですか。

前からRainbow事務所に入ってるって事は知ってたけど・・・。

その性格でやっていけんのか?

「"Wild Wind"って名前。そのうちSuperStarを追い抜いて国民的アイドルになるんでよろしく」

ニヤリと笑って言った湊。

"Wild Wind"ねぇ・・・。

「言ってくれんな」
「それはどうも」

憎たらしーっ!

本気で殴りたくなってきた。

「・・・だけど」
「ん?」

俺の言葉に、湊は耳を傾けた。

「俺ら抜いても、最大の壁があるけど?」
「はっ!?」

意味不明とでも言いたげな湊の表情。

そう、最大の壁。

それは、

「"Rainbow"と言う名のな」

正直、国民的アイドルとかどうでもいい。

でも・・・比べるのなら。

今はRainbowの方が、勢いがあると思う。