飯食って、風呂に入った後。

「満奈、ここに来い」

髪を乾かし終えた満奈を、俺の座ってるソファの隣に呼んだ。

「なーに?」

頭上にハテナを浮かべながらやってきた満奈。

そんな彼女を、股の間に座らせる。

見えるのは、サラサラで綺麗な短い黒髪と色っぽい首筋。

後ろから抱き締めた。

「隼斗・・・」

満奈は俺の腕をそっと触った。

好きすぎる。

「あのさ」

満奈の耳元で、俺は話し出した。

「ついこの間まで・・・俺は満奈の事、忘れてたよな」

思い出したくないのか、満奈は肩をビクッと震わせた。

でも、逃げちゃいけない。

過去は消せないんだから。

「それでも俺は満奈に惹かれていった」

思い出した時、俺はこう思ったんだ。

“記憶がすべて消えても、満奈を求めているんだ”って。

運命を感じたんだ。

「別れた後はめっちゃ辛かったし・・・」

満奈が考えてる事。

「俺、満奈にベタ惚れなんだ」

満奈の居場所。

「お前以外、誰も愛せない」

満奈の想い。

「満奈がいない生活なんて、考えたくもない」

分からなくて、悩んだ日々が続いた。

「満奈がいなきゃ、生きてる意味がない」

もう、あんな思いは二度としたくない。

「だから・・・もうさ」

深呼吸をした。

満奈は顔をゆっくり動かし、俺を見つめた。

視線が交わる。

「離してって言われても、離さないから」

今まで何度もそう思って来た。

でも、2回も満奈を離してしまった。

辛い思いをしてきたからこそ、

「絶対にな」

言える事。

今回は、本気だから。