その時。
―――ギュッ
不意に、隼斗に抱き締められた。
大好きな匂い。
大好きな体温。
安心する。
「・・・ずっと、こうしたかった」
あたしの耳元でそう囁く隼斗。
・・・そうだね。
久々だね、こんなゆっくりした時間。
あたしが芸能界に復帰してから、時間が合わず、会えずじまいだったここ2週間。
隼斗も忙しく、予定が合わず・・・。
でも、今日は違う。
ずっと一緒にいられる。
隼斗の息が耳にかかり、ゾクゾクする。
「満奈が好き」
―――ドキッ
その言葉に、胸が飛び跳ねる。
ストレートで、シンプルなその言葉。
一番幸せを感じる、魔法の言葉。
―――チュッ
耳、頬、額、瞼、唇、首・・・。
丁寧にキスされる。
あたしの目の前にいる隼斗は、もう“可愛い”なんてもんじゃない。
そこにいる彼は、立派な“男性”。
真っ直ぐにあたしを見つめる瞳に、ドキドキする。
「シても、いい?」
「いいよ」
あたしは即答した。
あたしだって、隼斗が足りない。
今まで離れてた分も、全て。
あたしを欲して。
あたしを愛して。
「隼斗が好き」
ストレートでシンプルな愛情表現。
あたしがそう言うと、隼斗は笑った。
大好きな、向日葵のような笑顔を見せてくれた。