(side隼斗)

「隼斗せんぱぁ~い♡」

出たよ。

出ちゃったよ。

俺が一番苦手なヤツ。

寮に帰るとすぐに走ってくる花園。

正直、ウザったいとしか思わない。

でも・・・そんなのも、今日で終わる。

これからは、満奈とのラブラブ生活が始まる・・・。

そう思うと、興奮を抑えられなかった。

まずは、華園をどうにかしないとな。

「華園」
「何ですかぁ?」

甘ったるい声。

香水臭い匂い。

頭痛がする。

早く満奈で癒されたい・・・。

「話がある」
「えっ?・・・もしかして、付き合ってくれるんですか?」

俺がそう言うと、華園は目をキラキラと輝かせた。

何期待してんだか。

お前と付き合う事なんか一生ないし。

俺は満奈にベタ惚れで、満奈一筋で、満奈溺愛なんだからな。

「違う」
「じゃあ何ですか?抱かせろ、とか?」

今度は少し恥ずかしげにした華園。

いい加減にしろよ。

俺の話を聞けっ!





「こっから出てけ」





しばらくの沈黙。

そして、

「・・・嫌です」

ようやく言った言葉はそれだった。