(side満奈)

2人、また肌を重ねた後。

ホテルで一夜を明かした。

「じゃあ、行ってくるな」

ここからは別行動。

隼斗はこれから仕事なの。

「うん・・・。ねぇ、隼斗」
「ん?」

あたしが呼びとめると、隼斗は優しく笑った。

「どうした?」
「あたし、如月に戻るよ」

やっぱり朝比奈学園より如月高校の方がいい。

友達もいっぱいいるし、何より隼斗と一緒にいられるからね。

麻友と離れるのは寂しいけど・・・。

「分かった」

隼斗はそう言って、あたしの頭をポンポン撫でた。

かと、思ったら、

「あっ!」

いきなり大声をあげた。

「満奈・・・ヤべぇ」
「何が?」

そして、





「華園萌香・・・いるんだ」





カミングアウト。

意味が分からず、思考停止した。

“華園萌香・・・いるんだ”?

それって・・・どういう意味?

首をかしげていると、

「・・・605号室にいるって事」

隼斗が補足してくれた。

・・・。

有 り 得 な い 。