(side満奈)

どういう事?

「それ・・・どういう意味だよ」

隼斗も同じ事を思ったらしい。

あたしの代わりに、そう質問した。

「あれ?聞こえちゃった?」

あたしと隼斗が険しい顔をしてるのに。

雅也だけは、吞気にそう言った。

そして―――、





「仁菜を殺したのは、俺だ」





笑顔のまま、そう言った。

目眩がした。

嘘でしょ?

何で婚約者を?

何のために?

“お姉ちゃんっ!”

あたしの・・・大事な妹を・・・。

「何で・・・殺したの・・・」
「んー、満奈を手に入れるため?」
「「はっ!?」」

その言葉に・・・唖然とした。

あたしだけでなく、隼斗も。

意 味 が 分 か ら な い 。

「どうしてあたし?」

あたしを自分のモノにするために、仁菜を殺した?

・・・どういう事?

「全部話すよ。・・・だけど」

雅也がそう言った、その時。

―――グイッ

「きゃっ・・・!」
「満奈っ!」

腕を引っ張られ、あたしは雅也に後ろから抱き締められてる状態だった。

それだけじゃない。

首筋に、ひんやりとした感覚―――。

「もしもの時の人質ね」

雅也は笑ってそう言った。

「あれは・・・何年前の事だったかな」

そして・・・話し始めた。

あたしと隼斗は、黙ってそれを聞いていた。