「なぁ、兄貴、姉貴・・・」
「ん?」
「何?」
俺・・・ホントにいいんだろうか。
今の話によると、俺は満奈が好きだった。
愛してたんだ。
だけど・・・別れた。
そして、満奈の記憶を失った。
いつ戻るか分からない。
だけど・・・。
「あのさ」
会いたい。
声が聞きたい。
心からの笑顔が見たい。
・・・ずっと一緒にいてほしい。
俺の、この気持ち・・・、
「満奈の事もう1度好きになるって、有りか?」
確実に“恋”だ。
いつの間にか惹かれていた。
“満奈”と言う存在が、俺の中で大きくなっていた。
1度しか会ってないのに・・・。
完全に心を奪われた。
これっていわゆる“一目惚れ”ってヤツ?
兄貴も姉貴も、目を丸くしていた。
・・・イケメンと美人(?)が台無しですけど。
「隼斗・・・?」
「どうしたの・・・?」
好きになったら仕方ねぇ。
アピールのみだ。
でも・・・。
許婚がいるって・・・。
「お前、分かってるのか?満奈ちゃんには許嫁がいるんだぞ?」
兄貴も同じところに気がついたらしい。
んなの・・・関係ねぇ。