2人が病室から出ていった。

ここにはあたしと隼斗だけ。

凄くドキドキする・・・。

やっぱりあたし、隼斗が好き。

離れても離れても、諦められなかった。

それどころか、どんどん隼斗への想いが募っていく。

椅子に座り、寝顔を眺めた。

ホント、久しぶり・・・。

懐かしいなぁ。

エッチして、朝起きた時・・・この寝顔に凄く癒されてた。

でも・・・今は違う。

いつ起きるかすら分からない状態。

今の隼斗は・・・生死を彷徨っている・・・。

・・・そして。

あたしの気持ちも・・・彷徨っている。

隼斗を見たら、今までの決意が全部崩れていってしまう。

だからって、両親を見捨てる事は出来なくて・・・。

3か月前に言われた“決断”。

3カ月経った今でも・・・微妙に“決断”出来ないでいた。

今、ここに来てるのだって・・・お父さんとお母さんに内緒で来てるんだから。

ねぇ、隼斗。

貴方を見てるとね、どうしても隠せないの。

どうしても溢れ出てしまうの。

“好き”って感情が。

“愛おしい”って想いが。

全身が“隼斗が好き”って言ってて・・・。

あたしは貴方を、こんなにも愛してるんだよ?

「どうして・・・っ」

あたしは泣いた。

どうして・・・?

目の前にいるのに。

伝えたいのに。

唇が震えて、なかなか言えないの。

「す、き・・・。大好き・・・」

やっと貴方に言えた言葉は、有り得ないくらいカッコ悪くて。

しかも、貴方には届いてなくて。

カッコ悪い愛の言葉は、誰にも届かずに消えた。