(side満奈)

隼斗が昏睡状態になって、5日が経った。

相変わらずニュースでは、

“SuperStar流川隼斗、意識戻らず”

の話題で持ちきりになっていた。

病院前にもたくさんのマスコミがいる。

多くの人々が隼斗の安否を心配している。

あたしも・・・その1人だった。

今日もあたしは、隼斗の元を訪れていた。





―――ガラッ

「こんにちは」

マスコミの目を避け、あたしは隼斗の病室に来た。

「あら、満奈ちゃん」
「今日も来てくれたんだ」

そこには千歳さんと翔也さん、そして―――。

「隼斗・・・」





眠ったままの、隼斗がいた―――。





ベットに近づき、顔を覗き込む。

あの日から表情を全く変えない隼斗。

静かに眠っている様子はまるで、人形のようだった。

「隼斗、また満奈ちゃんが来てくれたよ」

千歳さんが隼斗にそう話しかけた。

その声は少しだけ、涙ぐんでいる。

静かな病室内。

―――ピッ・・・ピッ・・・

機械的な音だけが、絶えず沈黙を破っていた。

「満奈ちゃん、お昼は食べた?」

翔也さんが聞いて来た。

時計を見ると、もうすぐ12時半だった。

「はい。家で済ませてきました」
「そっか。俺と母さんはまだだから、食べてる間隼斗をお願いしてもいい?」

それって・・・。

隼斗と、2人っきりって事だよね・・・。

「はい」

あたしはそう返事した。