(side千歳)

信じられなかった。

まさか・・・自分の息子が。

あの子と同じ目に遭うなんて―――。





それは、つい5分前の事だった。

私は家で、夕飯の洗い物をしていた。

すると、

―――♪~♪~

家の電話が鳴った。

「翔也~!出てくれる?」
「はいはい」

少し面倒くさそうに返事した翔也。

「もしもし」

私は洗い物続行。

しばらくすると、

「はぁっ!?」

翔也の、そんな声が聞こえた。

どうしたの?

何かあったのかしら?

心配になり、私は水を止めた。

手を拭き、翔也の元へと駆け寄った。

「・・・はい。分かりました。すぐ行きます」

深刻な顔。

震えてる声。

嫌な予感しかしなかった。

―――ガチャッ

電話を切った翔也。

「母さん・・・」

顔が青ざめている。

私の目を見ずに翔也は、





「隼斗が、意識不明の重体だって―――」





そう言った。