ガタガタと震える体を、両腕で抱き締めた。
その時。
―――ガチャッ
部屋のドアが開いた。
そして、中に入って来たのは、
「お待たせー。・・・って、どうした!?」
柳さんだった。
まさか・・・。
まさか・・・。
あたしの大事な妹を。
あたしの大事な家族を。
殺したのは―――、
―――柳雅也?
「何かあった?」
本人は何も知らずに、あたしの隣に座った。
ソファは、2人で座るのがいっぱいいっぱい。
距離が近い。
ヤダっ・・・!
そんなに近づかないで。
もし、この金属バットが。
仁菜を殺したときに使用したものだとしたら。
もし、あの血が。
仁菜のモノだったとしたら。
・・・こんなの、あたしの憶測にすぎない。
だけど―――。
あんなの見せられたら、疑うしかないよ。
仁菜を殺したのは、柳雅也?
誰も真実を知る者はいない。
知ってるのは・・・殺した奴のみ。