千歳さんには、迷惑かけちゃいましたね・・・。

ごめんなさい。

心の中で謝った。

しばらくすると、医者が来た。

「原因は、ストレスから来る軽い胃炎です。最近、何か悩みや不安を多く抱えているのでは?」

―――ズキッ

痛いとこを突かれた。

ストレスから来る・・・胃炎?

あたし、そんなにストレス溜めてたの?

悩みや不安・・・かぁ。

そんなの、分かってるよ―――。

あたしの悩み。

それは・・・、





隼斗に会いたい、と言う事。

Rainbowに帰りたい、と言う事。





その2つだけなんだ。

「・・・分かりません」

あたしは嘘をついた。

分かりきってるよ、ホントは。

でも、今は病室にお父さんもお母さんもいる。

おまけに、隼斗の母親の千歳さんまで・・・。

そんな状況で、ストレスの原因なんか言えるわけないじゃない。

もし、言ってしまったら。

お父さん、お母さんを悲しませて。

千歳さんを困らせてしまうだけ。

そんなのは、絶対に嫌だ。

だったら、あたしが我慢すればいい。

・・・だから、許してね?

あたし最近、嘘ついてばっかり。

このまま、偽りの人間になってくのかな・・・?

病院の白い天井を見つめ、ボーっとそんな事を考えていた。